4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

石の家に導かれて 20日目

 江差の鴎島キャンプ場にて起床。テントからの圧迫感で目がさめる。風でテントのポールが外れて大変なことになっていた。なぜかというと寝るときはほぼ無風だったが朝方に風が強まり、暴風と化していたのだ。テントの撤収にえらい時間がかかり、風に飛ばされた荷物を寝起き全力ダッシュで取りに行ったりとすでに疲れていた。6時半頃起きて準備が整い、出発したたのは9時頃である。

 しかし、テントを襲った暴風は自転車に乗ると追い風になって僕の背中を押してくれる有難い存在になった。左には日本海、右側には山が迫った細い海沿いの道を軽快に飛ばしていく。天気はあいにくの曇りではあったがそれが同時に最果て感を見事に醸し出してくれた。

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 その後乙部町まで快調に飛ばし、セイコーマートで昼食をとる。この時食べた山わさび塩らーめんが喉に突き刺ささる刺激だった。

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味は美味しいのだが、やわな新潟県人には刺激が強すぎたようだ。一人セコマの駐車場で咳き込みながらラーメンをかきこんでいた。その駐車場で今日の宿の見当をつける。今日の目的地はせたな町であり、よさそうなキャンプ場や道の駅がないか調べる。調べていたら興味深いものが見つかった。ドラマ『北の国から』の五郎さんが作った石の家をモデルにした石の家がせたな町にあるらしく、しかも徒歩ダー、チャリダーはタダで泊めさせていただけるらしい。しかし、最近の情報が全くネットにあがっていないため今でもやられているかわからない。そう思い悩んでいたが、

「とにかく行ってみやがれ、コノヤロウ!もし泊まられなくてもバス停でもどこでも寝れんだろーが!!」

とリトルヨツヤナが言ったのでとにかく行ってみることにした。

 その道中トンネルが連続するゾーンを抜けると雲は流れ、太陽が顔を出してくれた。そうしたら今まで微妙な色で冷たさまで感じた海が違う顔を見せてくれた。

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f:id:yotsushu:20190510172336j:imageこのトンネルは3キロあります。道道では最長らしいです。

f:id:yotsushu:20190510172506j:imageそのトンネルのすこし前にあった親子熊岩。うーむ、クオリティ高いな。

これから始まる積丹ブルーに期待が高まる道中だった。

 せたな市街に入り、先述のお宅に伺う前にせたな名物、甲田菓子店の岩シューなるものを食べたく、6キロほど遠回りする。結構疲れていて、甘いものが食べたくなっていたので楽しみに向かう。独特の食感でその食感を保つために賞味期限が1時間しかない幻のシュークリームである。下の名前がシュー、父親がシュークリーム好きとシュークリームには縁がある僕は是非とも食べたいと思っていた。しかし悲しいかなお休みでした。本当にショックでした。7日から10日までお休みでした。GW終わりのお休みかな。そんな感じで本当に5分くらい店の前でうなだれていましたが、次の目的のため来た道をまた6キロほど戻る。心なしかペダルが重くなった気がした。

 しばらく走り、石の家の持ち主の方の元へ。快く受け入れてくださり、夕飯までご馳走になってしまった。持ち主の遠藤さんは「縁」を大切にする方で、仲間や旅人が集える場所を作りたいと思い、石の家を一からご自分や仲間達と共に作ったそうだ。

f:id:yotsushu:20190510174237j:image表札には石の家 縁導とある。

f:id:yotsushu:20190510174303j:imageとても落ち着く、居心地がいい空間だった。

 夕食は遠藤さんの自転車仲間の方と3人でジンギスカン。たくさんお酒も飲みながら遠藤さんから今まで来た旅人の話や、人生観、生き様などなどとても素晴らしい話を聞けた。その中でも一番心に残ったのは自己決定の話だ。

遠藤さんは

「四柳くんがここに導かれたのは自分で決めたこと。でもそれを導く縁がたしかにあったんだよ」と仰っていて、やはり自ら行動を起こさないと何も起きないということを改めて感じることができた。この気持ちを忘れないように進んでいきたい。お腹も心も満たされる最高のひと時でした。是非ともせたな町を通る旅人はここに導かれるべきであると思う。

 

走行距離 91.8キロ