4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

やらかした 77日目

  7月6日、道の駅はしかみ内のたこ焼き屋さんにて起床。壁と屋根は偉大である。ぐっすり眠ることができた。テントも張ってないので早々に準備が整い出発。今日はきつい道のりになる予定である。しかし、数時間後には違う意味できつい道のりになる。

 

 快調に飛ばしてあっさり岩手県に突入。いつ岩手県に入ったのかも分からないくらいあっさり入ってしまった。国道45号を一路南へ下る。この道はリアス式海岸に沿って延びているのでアップダウンが死ぬほどきつい。ほとんど平坦な道はない。それでも朝の快調さそのままに久慈市内へ突入。久慈の街の数キロ手前にドライブインのようなものがあったので立ち止まって休憩する。

 

 自販機で飲み物でも買おうと思い。財布を取り出そうと思う。しかし、いつも入れているウェストポーチには無い。ははぁ今日はフロントバックに入れたか。そう思いフロントバックを漁る。無い。この時点ではまだ焦りは無い。いやいや、本気出せばあるでしょ。そう思いフロントバック、ウェストポーチの中身を全て路上にブチまける。しかし何処にも僕の大事な財布(Be-palの付録)が見当たらない。この頃には焦りはピークに達する。一緒に走っていたが途中で置いて来た堀くんも合流し、二人で探す。しかし無情にも財布の姿は無い。

 

 このドライブインに着くまで一回も止まってないのであるとしたら道の駅だと思い電話する。親切なお姉さんは表まで探してくれたが無かった。こうなってくると考えられるのはただ一つ。これまで通って来た40キロの道のりの何処かに転がっている。

 

 しかし戻ろうにも過酷なリアス式海岸。そんな元気は微塵も無い。いい案も浮かばないのでとりあえず久慈の街へ向かった。久慈の街は未だに「あまちゃん」一色だったが目に入らない。

f:id:yotsushu:20190717204604j:image
f:id:yotsushu:20190717204601j:image

とりあえず道の駅へ行くと裏手の公園がキャンプOKらしい。そこで導き出した案がこれだ。

1.昼前だがテントを張り、中に荷物をぶち込む。

2.輪行袋を持って久慈駅へ向かう。

3.自転車と共に電車に乗って道の駅はしかみの最寄り駅へ向かう。

4.道の駅はしかみから朝通った道を走って、財布を探す。

 

 どうだろうか、この完璧なプラン。死角は無い。それにしても根室から輪行袋が大活躍。輪行袋もこんなに出番があるとは思ってもいなかっただろう。

 輪行袋「え、また僕の出番ですか?輪行旅でもしてんのかコイツは」

 彼がそう思っていても不思議ではない。とにかく、このプランに則り電車に揺られ、道の駅はしかみを再び訪れる。そして昨日お世話になったおばちゃんに事情を話した。するとおばちゃんは「よっしゃ、店閉めて車で一緒に探したるわ!」と言ってくれた。

 

 有難いやら情けないやらの入り混じった感情を抱えながらおばちゃんの車の助手席に座る。おばちゃんは後続の車に迷惑にならない程度にゆっくり走ってくれ、僕は血眼で財布を探す。

 

 出発から10分程経った頃、道路の端に見覚えのあるグレーの物体が。おばちゃんも気づいたようで二人で声を揃えて「「あれだ!!」」と叫ぶ。車を路肩に止めて駆け寄ると、嗚呼、恋い焦がれた僕の財布が路上に転がっていた。

 

 車に戻っておばちゃんと喜び合う。自分のことようにおばちゃんは喜んでくれた。本当に嬉しかった。再びおばちゃんの店に戻り、心からお礼を言って道の駅を後にする。青森に恩人ができた。またいつか戻ってきて再度お礼を言おう。そう心に誓って電車で久慈の街に戻る。

 

 財布が戻ったことを噛み締めつつテントにて就寝。ちなみに堀くんは僕が財布を探している間ずっと寝ていたらしい。さすがだなぁ。

 

走行距離 42.3キロ

道の駅はしかみ→道の駅くじ→道の駅はしかみ→道の駅くじ