4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

170日目 僻地に縁ある俺だから

10月7日、土佐清水市の公園にて起床。本日は四国最南端の足摺岬をまずは目指す。

岬と名のつくものに行くには必ずと言っていいほどキツイアップダウンが付いてくるものである。例に漏れずこの足摺岬へ向かう道もなかなかのアップダウンがあった。僕が走ってきた岬達で例外は宗谷岬くらいかなぁ。

ジョン万次郎の生まれた中浜を越え、登りのトンネルを越え、ひたすら水平線が広がる太平洋を眺めつつ最南端へと向かっていく。景色もいいので気分良く進んでいき、岬まであともう少しというところでアクシデントは起きた。

長い下り坂を下っている途中、カーブが思っていたよりもキツかったので右ブレーキを少し握り込む。すると前輪のブレーキ部分から

「シャリ、シャリ、カカン!バキン!」

といかにもいやーな音が響く。そして右ブレーキの抵抗が無くなる。これはヤバイと自転車に疎い僕でも瞬時に判断できるレベル。広いところに自転車を停め、ブレーキを確認してみると案の定ブレーキパッドの姿はなく、なにかの金具の様なものがブレーキに干渉している。そのため前輪は若干回りにくくなり、それが負担となるのは明らかだった。

まぁ走れることは走れるので足摺岬まで行く。しかし頭の中はブレーキのことで一杯。南国の様な植物も、遮るものなく広がる大海原も実感としてはぼんやりしていた。後で写真を見てこんなとこあったっけ?と思うレベルだった。

岬の碑がある広場まで戻ってこの後の事を考える。とはいえこの場で打つ手は無い。足摺岬近辺は四国最南端の名にふさわしく恐ろしく僻地。自転車屋も駅も、コンビニすらない。とにかく手負いの自転車に鞭打って戻るしかないのである。

思えば北海度でスポークがバキバキに折れてこれ以上荷物満載で走ることを断念した場所も、だいぶ僻地の斜里の道の駅であった。
足摺岬
[斜里

いつも僻地で致命的な故障が起きる。タイトルにもあるように僻地に縁がある。

とにかく今日いた土佐清水市自転車屋が一軒あるので戻る。思ったよりもパーツが干渉しているのかペダルが重い。行きよりも体は1.5倍、心は2倍ぐらい疲れた。

土佐清水市自転車屋に行き、見てもらうとやはり無理だそうだ。まぁディスクブレーキのブレーキパットが置いてある自転車屋は街にも中々無いのでそんなに期待していなかった。しかし、このお店でパッドの在庫がありそうな自転車屋さんを紹介してもらったので希望が繋がる。問題はここ、土佐清水市から100キロ以上離れた宇和島市にあるという事だけだ。さらに言うと、文明の利器、電車を使おうと思っても60キロ以上漕がないといけない。しかもここらは山岳地帯、キツイことは確実だった。

とりあえず少しでも進もうと思い走り出すが雨まで降ってきた。泣きっ面に蜂、踏んだり蹴ったり。

丁度よくジョン万次郎記念館に入る。彼の人生を学び、少し元気をもらった。漁をしている時に漂流、無人島生活を送った後、アメリカに渡って勉強して再び海の男へ。帰国後は紆余曲折ありながらも幕府に旗本として迎えられるその波乱万丈の人生の根っこには、大きな好奇心があったように思われる。彼のような大きな男になりたいなぁと思いつつも、降り続く雨に文句たらたらな小さい男が一人。


その後今日に見切りをつけ、近くの道の駅にて泊まる。今日あったいいことはお弁当が安かったことでした。あと同じく日本一周チャリダーの方と泊まれたことでした。なんだかんだ四国に入って初めて日本一周している方に会った。話も大いに盛り上がり寝る時にはすっかり楽しくなっていたのだった。

走行距離 50キロ

鹿島公園→足摺岬→道の駅土佐清

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