4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

222日目 巨大な墓標

11月27日、小浜温泉の公園にて起床。他の二人はすでに起きて片付けを始めていた。歴戦の猛者達はやっぱり違うぜ。

その後全員でコンビニに行って最後の別れとなる。よーだいとは明日の天草まで一緒だが、フランス人のジョーとはここでお別れだ。彼はこの後雲仙地獄へ行くらしい。大変な坂になるだろうが雲みたいにフワフワした彼なら大丈夫だろう。

全員でお互いの健康を祈ってそれぞれの道を行く。別れは別れでいいものだな。

その後は小浜から海沿いを南下し熊本天草への玄関口である口之津港に到着する。そこへ至るまでの景色も良かった。海が本当に綺麗だ。惜しむべきは天気があまり良くなく、映えないことだろう。生でみると本当に綺麗なんだけど。

口之津に着いたはいいもののよーだいと乗る船まで少し時間がある。なので8キロ先にある原城跡まで行こう思う。

ざっと原城とは何か説明する。原城島原藩主父子の愚策による飢饉とキリシタン弾圧によって引き起こされた島原の乱で、農民達が籠城した城である。2018年に長崎・天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の一つ世界遺産に登録されている。

原城に着いて最初はここに城があったとは信じられなかった。本当に何もない。僅かに残る石塁の跡が城があったことを伝えるのみだ。

本丸があった場所にも立ち寄った。城は乱の後幕府によって徹底的に破壊されたらしく柱の跡や城門の跡が発掘され、保存されている。

本丸は海を見渡す小高い丘にあった。世界遺産にしては観光客が誰もいなかったが、その荒涼とした雰囲気が乱の時代に想いを馳せるのに丁度いい。別に僕はキリスト教徒ではないが思うことがあった。


いまは城の跡には畑が広がっている。しかしこの土の下には一揆軍3万7000人、幕府軍1000万人が眠っている。

自転車にまたがり丘を下って原城があった丘を下から見たとき、それが僕には彼らの巨大な墓標に見えた。

その後は口之津の港に戻ってよーだいと合流。船に乗って熊本県に入った。

熊本に入って騒いでいる徒歩日本一周と自転車日本一周の二人組は結構目を引いたらしくいろんな人が僕らのことを眺めていた。

その後は天草市内まで行き、ファミレスで祝杯。お互いいままでの旅やどーでもいいことを語り合った。

思えば新宿の路上で初めてよーだいに会った時からこの天草のジョイフルまでレールは繋がっていたのか。それともお互い少しずつ色々な事を経てレールはここまで繋がったのか。分からないけど面白い。

そんな事を考えながら天草のネットカフェで就寝。

走行距離 50キロ

小浜温泉天草市

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