4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

252日目 故郷凱旋

 12月26日、魚津のネットカフェにて起床。本日は冬の日本海側らしく荒れた天気。正直この天候で進むのは気が進まないがもう残された日数も少ないので仕方無く進む。

 気が進まない理由はもう一つある。富山新潟県境の難所、親不知を通らなければいけないからだ。

 日本一周した人の中では一番の難所で親不知を挙げる人もいるという。正直ビビり倒していた。

 まぁいくら嘆いても親不知が無くなる訳では無いので進むとする。まず魚津から黒部市へ。その後ついに新潟県へ突入する。

全国トップクラスに主張が激しい県境の看板

 ここから親不知ゾーンへ。昔は海沿いの壁伝いの道しか無かったらしいが、現在では道の多くはトンネルになっている。アップダウンを繰り返し、しかも狭いトンネルは確かに恐怖だった。だが、今日の様な雨の日は傘の役割を果たしてくれるのでむしろ嬉しい。嬉しい誤算だった。一箇所長いトンネルは歩行者や自転車用に脇道が用意されていた。そこには道路の完成を記念して岩肌に彫られた「砥如矢如」の文字が消えることなく残っていた。

意味は「(この道路は)砥石のように滑らかで、矢のように真っ直ぐである。」と称賛したもの。

 その近くには日本近代登山の父、イギリス人宣教師のウォルター・ウェストンの銅像もある。彼曰くこの親不知は日本アルプスの起点に当たるらしい。昨日僕が富山平野から眺めたあの山々も始まりはここだという。なんだか不思議な気分になる。


未だ天険の地の雰囲気ビンビン。

 その後必死の思いで親不知を抜けて糸魚川市へ。糸魚川からも海岸沿いの高低差に苦しめられながら、寒風に苦しめられながら息も絶え絶えに進む。

 今日の目的地であった上越市まで残り17キロ。しかし日没間近。これから先の海沿いの道に電灯など期待できないのでここまでとする。泊まるのは道の駅うみてらす名立。正直、温泉がある道の駅には泊まらなければならない病気なのだ。

 冷え切った体を温め、メシを喰らい、休憩室でテレビを眺めて寝床へ。幸いにも24時間空いている休憩室があるのでチェックイン。それでも底冷えに苦しめられた夜だった。