198日目 唐津くんちはいいぞ
11月3日、虹の松原にて起床。が、唐津くんちが昨日と同じ様に夜から始まるものだと思って二度寝してしまう。タイムスケジュールを確認しない痛恨のミス。
それでも途中から祭りに参戦。先に祭りに行っていたちゃびさんと一緒に見る。
正直唐津くんちへの前情報はゼロであった。まーなんか人いっぱいいるなー。としか思わず、期待感もそんなに無かった。
沿道で待機し、山車が近づいてくる。引子たちの掛け声、山車の車輪の音、キィキィと木が擦れる音が段々近づいてくるにつれてテンションが上がってきた。
予想よりも遥かにデカイ。また山車の上段は振り子の様に揺れるため迫力がすごい。装飾や塗りも豪華絢爛。どの山車も大体百年以上前に作られたものだがとてもそうとは思えない艶やかさだった。
場所を変えて御旅所神幸へ向かう。ここでは曳込み、曳き出しが行われる。御旅所は砂地のグラウンドの様な場所で行われ、車輪が砂に埋まる。2、3トンにもなる山車を引子が掛け声をかけ、一気に引っ張る。その迫力は凄まじいものがあった。全員の意志が一つにならないと動かない。彼らの気が練り上げられ一気に最大の力を込めて引く瞬間は、彼らの熱気がビシビシと肌に伝わる程だった。
全14台の山車が揃い、昼休憩と神事を執り行った後は再び山車はそれぞれの町内へ戻っていく。それが曳き出しである。
山車(曳山)は様々なモチーフがあり、獅子や兜、鯛、浦島太郎、宝船などがあった。その中にはなぜか武田信玄と上杉謙信がいて、まさかの川中島が佐賀に出現した。
この時の迫力も凄かった。曳込みよりも前で観れたこともあるが引子の生き生きとした顔や厳しい檄が飛ぶ姿、目の前を通り過ぎて行く山車の迫力ある姿が目の前で展開された。
山車に携わる方達にふざけるような人はいない。もし緩んできたら激しい檄が飛び、雰囲気が締まる。それもそのはず、ふざけて山車に巻き込まれでもしたら大怪我じゃ済まないだろう。しかし、彼らの中に嫌々やっているように感じる人は居なかった。どの人も真剣にかつ楽しそうな顔をしていた。
今では国の無形重要文化財やユネスコ無形文化遺産に登録され、毎年50万人の観光客を集める一大イベントになった唐津くんちだが、その雰囲気は俗物に落ちておらず、祭りとしての形を失っていないように思った。町内ごとの男から男へと曳きの技術は伝承され、100年以上前からの曳山を大事に守ってゆくのだろう。そんな彼らを少し羨ましいとも思いつつ祭りを楽しんだ。
祭りの後は辰野金吾監修の旧唐津銀行を見たりして、最後に昨日の激安スーパーに行って終了。ちゃびさんと野営地にて宴を開催した。
大満足の一日、唐津に惚れた一日だった。
走行距離 不明