4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

自然と共に生きる術 41日目

 幌加内町の朱鞠内にて起床。僕が目覚めた時には既に皆さん起きていた。農家の朝はやはり早い。外に出ていたお父さん、親方と呼ばれている、が帰ってきてみんなで朝ごはんを食べる。食べ終えたら早速作業へ。午前中は「ぼかし」と言われる有機肥料を作る。原料は米ぬかで、そこにEM菌を入れて混ぜ合わせる。このEM菌とはEffective Microorganismsの略称で、いい働きをしてくれる微生物たちの総称である。この微生物たちによって米ぬかを発酵させて肥料に用いるという訳である。人にも土にも優しい肥料である。

f:id:yotsushu:20190606144850j:image作業中の風景

 

 お昼を挟んで午後は豆まきをする。鬼を追い払うやつではない。同い年で同じ大学の正奈さんと一緒にまく。二人で色々な話をしながらやったので楽しかった。偶然の出会いだったが彼女は僕がよく見ているテレビ番組に出演したこともあり、様々な経験をしているすごい人であった。ちなみに同じ大学でも僕は都会のキャンパス、彼女は山の中のキャンパスだった。植村直己さんと同じとこだ。

 

 休憩時などは玄関前につながれている犬と戯れる。この家では犬橇用にハスキーのミックスを何頭か飼っていて、赤ちゃんもいた。この赤ちゃんがとてつもなく可愛いかった。まだ生後一ヶ月経っていないらしい。それでも自分の足で歩き回り、母犬とじゃれ合う姿を見ていると命の強さを感じる。足が大きかったからデカくなるんだろう。

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 今日の作業を終えて、みんなで夕食を囲む。この日のメニューは山菜三昧。そして鹿肉。この家で肉といえば鹿肉らしい。山菜もギョウジャニンニク、ウド、タケノコなどバリエーションに富んでおり、それぞれ個性が立った味だった。鹿肉は臭みも全くなく、とても柔らかく上品な味の中にすこしの野性味を感じた。野山を駆け回っていた鹿のエネルギーを受け取った様な感覚だった。

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 夕食を終えた後は親方と話す。親方はかの有名な早稲田大学探検部の出身で、そのあとアラスカでイヌイットの人たちと同じような生活をしていたそうだ。現地でいまの奥さんと出会い、お子さんが出来たことをきっかけにいまの朱鞠内へ引っ越したということを伺った。アラスカにいた時と同じような環境を探した結果、朱鞠内に決めたという。そして今でも当時と同じように獲物を狩り、山菜を採り、野菜を育ててほぼ自給自足で生活している。ここに来るまでは苦労の連続だったそうだ。僕が尊敬する探検家、角幡唯介さんや、有名な写真家、星野道夫さんなどのビッグネームが飛び出す会話はなかなか刺激的であった。

 

 その後は先述の正奈さんが農業資材を用いて作ったサウナにみんなで入ってゆっくりする。サウナから出ると空には満点の星空が広がっており、なんとも贅沢なサウナだった。

 

 シャワーで汗を流し、居間に寝袋を広げて就寝。サウナのおかげかいつもより深く眠れた。

 

走行距離 0キロ