4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

ヨツヤナギ、北海道の大地に立つ 16日目

 朝4時半に大間崎のキャンプ場で目覚める。大間と函館を結ぶフェリーは7時発だが余裕をもってこの時間に起きた。威張ることではないが、何を隠そう僕は乗り物を見送りがちだ。夜行バス、新幹線、普通の電車。時間を間違えて乗れなかったことは枚挙に暇がないのだ。

さらに風の存在も起きる時間を早めた。大間は一年を通して風が強く、キャンプ場は海に近い吹きっさらしのため特に風が強い。そのため昨日は初めてペグを打ったのだがその片付けの時間も考慮してのこの時間だ。今日は函館に入り、自転車を修理に出し、その後は函館を満喫する予定なので寝巻きのまま荷物を自転車に積み走り出す。

 フェリーに乗り込み自転車を預け出航を待つ。今回はむつ湾フェリーの様な全て寝て過ごすという勿体無いことはせずに出航したら甲板に出て今まで過ごした本州を見る。次にこれから向かう北海道を見る。これから向かう新しい土地に想いを馳せながら船室に戻り寝る。結局寝る。

 

函館に到着し、自転車の場所に戻り跨る。しかしながらフェリーの車やバイクが乗る場所はなぜあんなにテンションが上がるのだろうか。どうしても秘密基地から出撃する気分になる。ガキっぽいとは思うが本当にそう感じる。

 自転車は僕一台で最後に出る。新しい風、匂いを感じながら北海道の大地に立つ。最初の目的地は函館市内のライダーハウスパゴパゴである。清々しい気持ちで改めてルートを確認する。

「約10キロ 46分」

 結構遠いじゃん、、まぁ街中だし平担だろ、、。

予約して気づいたのだが意外と遠いし跨線橋もいくつか渡る。おまけに向かい風。気づけば汗だく。

「ハァ、ハァ、これじゃいつもと変わらんやんけ!」

 そう思いながら進むと本日の宿に到着。外観を一目見て好きになった。僕の頭の中にある下宿そのものだったからだ。それもそのはず、もともとは函館の大学生向けの下宿だった建物をそのままライハにしているらしい。僕は下宿に憧れを持っていて住みたいとまだ本気で思っている。欲を言えば下宿先のお嬢さんを取り合う友達もいて欲しい。自殺はしないで欲しい。閑話休題

 荷物を置いて一息ついたらあらかじめ見当をつけておいた自転車屋さんに自転車を預け、自分は函館の街を歩く。途中見つけたブックオフで本を3冊買った。東直己伊藤計劃と丸山ゴンザレスの本だ。なにかオススメの本があったら教えていただきたい。

その後は五稜郭公園でハセガワストアのやきとり弁当(名前はやきとりだが中身は豚串)を食べ、本を読みながら過ごす。贅沢な時間が長くなり始めた太陽と一緒にゆっくり流れていった。

 暗くなって来たので路面電車に乗って宿へ戻る。途中のセイコーマートで夕飯とサッポロクラシック発泡酒を買って帰る。歩いている時にふと懐かしい感じがした。いままで自分が東京で過ごしていた日常はこんな感じて、それが非日常に感じたことに少し嬉しくなった。

 

走行距離 おそらく10キロ程