4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

憂鬱な道 50日目

 6月8日、ライダーハウスやませにて起床。空は相変わらずの曇り空で気温も低い。昨日の宗谷岬を超えた時の心の高ぶりはどこへやら、寝袋の中でグダグダする。出たくないなぁという気持ちと早く進みたいなぁという気持ちがせめぎ合う。

 

 9時ごろやっと、「何グダグタしてんじゃい!行くしかないだろ!」と自分の中で決意が固まり準備して漕ぎ出す。それでもまだまだ冬のような寒風と鉛色の空と海にその決意の火はあっという間にブズブス鎮火する。

 

 途中話を聞いてたのしみにしていたエサヌカ線にも全くテンションが上がらない。

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 それどころか何も遮蔽物がないこの道は風がダイレクトアタックを仕掛けてくる。つい心では愚痴りまくってしまう。

「こんな道オロロンライン のパクリだろ、いつまで続くんだよ、、、」

道にパクリも何もないのにそんなことを思ってしまう。ごめんよ、エサヌカ線。

 

 それでもなんとか枝幸の町に着く。読み方は「えさし」。僕の旅で二つ目の「えさし」だ。北海道はこのように同じ地名や似ている地名が多い。クッチャロ湖と屈斜路湖とか、納沙布岬と野寒布岬とか。それと稚内に行くまでに通り過ぎた北緯45度線を再び通る。宗谷岬が壮大な折り返しコーンのようで少しおかしかった。

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 まだ時間は早かったが、体もメンタルも寒さにズタボロにされていたので銭湯に入ってゆっくりしようと思う。しかし銭湯が開くまで少し時間があったので暇つぶしに近くにあったオホーツクミュージアムえさしへ行く。

 期待していなかったが、素晴らしい展示の数々で随分と元気になった。枝幸の近くに生息する鳥や動物の剥製や、巨大なシャチの骨格標本、すでに絶滅した巨大陸生哺乳類の化石、忽然と姿を消したオホーツク人についてなど興味深いものがたくさんあった。心と頭を満たした後は風呂へ入って温かさに満たされよう。そう思って銭湯でゆっくりした。

 

 完全に日が落ちて真っ暗になる前にキャンプ場へ向かう。意外と遠く、雨もパラつき始めたので焦って飛ばす。汗もかいてしまった。しかし風呂とは有り難いものでまだまだポカポカだ。

 

 先にキャンプ場についていたチャリダーの方と話した後はテントを張って、夕飯を食べる。最近礼文島稚内で多少贅沢していたので節約たらこパスタだ。その中に手元にあった納豆と鯖缶をぶち込んでマヨネーズとコショウをこれまたぶち込むと、あら不思議、美味しいのだ。見た目は完全に生ゴミみたいだが味はグンバツ。動物性タンパク質も植物性タンパク質も取れるし材料費も安い。一躍夕飯のファーストチョイスに躍り出た。

 

 久々のテントでの就寝。このキャンプ場には熊も出るようだが、熟睡。途中何かの足音で起きたが、小さい軽やかな足音だったのでキツネか何かだろう。ゴミも靴もテントの中に仕舞っているので心配ない。

 

走行距離 65.7キロ