4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

227〜235日目 しろくまの死闘、そして沈没へ

 12月2日は鹿児島市内で起床。久々に朝ゆっくり起きて、よーだいと朝ごはんを頂き街へと繰り出す。

 鹿児島市は始めて来たが好きな街になった。天文館のアーケード街もどこか懐かしい感じがするし、路面電車がまたたまらない。そして海も近いので港町の風情もある。なにより街のどこからでも雄大桜島の勇姿が見えるのが最高だ。

 やっぱり鹿児島に来たからには"ヤツ"と一戦交え無ければならない。そう、白い悪魔、「しろくま」である。

これでレギュラーサイズ、大盛りにしなくて本当に良かった、、、。

 今では日本全国のコンビニでお買い求められるしろくまだが、発祥は鹿児島天文館の無邪気というお店からだ。日焼けした小汚いマウンテンパーカー二人組で入るには少し勇気がいるお洒落な店内。辺りを見渡せば一つのしろくまを分け合うカップルや旅行で来たと思しき女子グループ。そんなドアウェーの中、僕とよーだいは静かに早食いのゴングを鳴らした。

 結果は僕の圧勝。毎日エゲツない距離を歩けても、四国で生き仏と呼ばれようとも、しろくまを早く食えない奴は弱いのだ。

苦悶の表情を浮かべるヨコイシ。

 その後は昼飯につけ麺を食べ、二人とも丸くなった腹をさすりながら家路につく。

 横石はこの後沖縄へフェリーに乗って向かう。その前に鹿児島でお世話になっている森さんが髭を剃ってくれるそうだ。森さんは美容師さんなのだ。

 二人とも入念に顔中の毛という毛全てを整えてもらい、オイルでテカテカツルツルになった。

 そして別れの時。フェリーターミナルにて横石を見送る。次に会うのはお互い東京へ戻った時だろう。今まで何度となく出会いと別れを繰り返して来た二人だ、もう慣れたもので軽い別れの挨拶を交わしただけだ。その根っこには絶対また会える信頼があり、どこかで日本を小さい箱庭の様に思いはじめた自分もいた。

 出航し、だんだんと小さくなっていくフェリーを見送り、僕は一人で森さんの家へ帰る。

 翌、3日からは祖父の知り合いの方に会ってご飯をご馳走になったり、西郷隆盛最期の地を見たり、山へ登って鹿児島市の夜景を見たり、天文館の居酒屋で一人首折れサバに唸ったり、市街地なのにとても立派な温泉に浸かったりと鹿児島市内を満喫した。というかしすぎた。その間に北海道から共に旅を続けてきた時計が盗まれたり、自転車のタイヤを交換したら空気が入らないなどトラブルもあったが、まぁ何とかなった。

 翌10日からは本土四極の最後、最南端の佐多岬へ向かう。今まで会った旅人からは一番しんどいと聞かされていたし、マップを見た限りは一番の秘境だ。僻地でトラブル起こしがちな僕だが無事に辿り着く事が出来るのだろうか。

首折れサバ。沖合で首を折って〆ることからこの名前に。サバとは思えない油と旨味、むしろこっちがサバ本来のポテンシャルか。

鹿児島の甘い味噌味のおでん。これがなめらかでつゆを全部飲み干してしまうくらいうまい。

鹿児島市の夜景。

毎日コイツが見える生活ってどんなだろう。灰が大変そうだが。