4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

246日目 琵琶湖

 12月20日京都市内にて起床。昨日よりも天気が良く、穏やかな日だった。

 まずは京都市内を抜けて滋賀県境を目指す。唯一見れた観光地は清水寺だった。

舞台は現在改修工事中。工事用の覆いが被されていた。

 清水寺の横を通り、ちょっとした山を越えて山科区へ。京都の都会部分はもう終わったと思っていたので驚いた。

 そこから滋賀県に入り、有名な逢坂の関を越える。はるか昔から京に入る人、出る人はこの関を越えてきた。その中には歴史上のビッグネームもちらほら。

 逢坂の関から一気に長い下り坂を降りれば目の前にまるで海のような巨大な湖が現れる。日本最大の湖、琵琶湖である。そしてそのまま琵琶湖沿いを北上する。

 見る角度によって琵琶湖は表情を変える。大津の辺りでは対岸が見えるためそれほど巨大には見えないが、北上し琵琶湖の最も膨らんでいる場所に来ると対岸は見えなくなり大海原かと見間違えるほどだった。

 雄大な琵琶湖を堪能したいところだったが折り悪く雨が降り出してきた。日も沈みかけ寒さに震えながらも必死で走る。

 完全に日が暮れて辺りは真っ暗に。目的地まであと少しだが辺りは田んぼに囲まれ電灯一つなかった。頼りになるのはヘッドライトの灯りと、隣を走るバイパスの灯りのみ。その状態のまましばらく走るが雨脚も強くなってきた。

 何も考えず、というか何も考えられない。手足の感覚はとうに無く、自分が自転車を漕いでいるというのも不確かなほどだった。ただ真っ直ぐ前の暗闇を凝視して漕いでいた。

 そして目的地の街の灯りが見えた時は心底嬉しかった。文明の光は人を安心させるものだ。気力で道の駅まで到達する。

 濡れた服から乾いた服に着替え、道を挟んで向かいにあるスーパーで買い出ししつつ暖を取る。だいぶ体温が戻ってきたので道の駅に戻ってテントを建てる。

 寝袋に包まり寒さに震えながら眠った。何度か夜中に寒さで起きるほど冷え込んだ日だった。