出発・聖地・ハードボイルド 30〜34日目

 またまた更新サボってすみません。

 5月22日にいままで散々お世話になった余市川温泉を出発しました。余市では東京に通う普通の大学生がおそらく一生経験しないであろうことをたくさん経験させていただきました。農業、林業、リサイクル業、バイオマス事業、そして銭湯温泉業。これらの経験は間違いなくこれからの人生に活きてくると思っています。またいつか余市に戻って来たいです。この様に戻って来たい街が増えていくのは嬉しいことである。大変お世話になりました！またいつかお会いしましょう！ありがとうございました。

左から茅根社長、20歳のかいくん、現場のリーダー横山さん

 長い間親しんだ余市の街を離れ一路大都会、札幌へ。ちなみに札幌までは横山さんに車で送っていただきました。俗に言うワープです。笑

 あっという間に札幌に着き、ライダーハウスに投宿、荷物を置いて札幌の街へ出かける。札幌はかれこれ4回目の訪問であったため観光名所の類は全く寄らなかった。というか素通りして日用品の買い物を済ませた。しかしひとつだけ外せない場所があった。南平岸にある旧HTB社屋と平岸高台公園である。

HTBが札幌中心部に社屋を移したためここは取り壊されるらしくその前に一目見ようと思った。誰もいない駐車場に企画発表の思いを馳せ、ガランとした社屋に藤やん、うれしーを探したが、屋上のonちゃんも寂しそうだった。

 自分が生まれる前にここで伝説が始まり、今でも続いている。そして自分がその場所にいることに感謝しつつ札幌に戻った。

 夕飯は東京のバイト先の店長のお知り合いの店に行く。ススキノのはずれにある、いさりという店だ。そこでは旅始まって以来、最大にお腹いっぱいになった。お酒もたくさん飲ませてもらった。一つ一つの料理はどれも最高だった。刺身、ホッケ、ウド、カニ玉、十勝牛、ウニ、たこまんま、どれも本当に美味しくがっついてしまった。両隣に座った常連さんやスタッフさん、たかしさんとも楽しくお話しでき、至福のひとときであった。

 その後は隣で飲んでいた常連さんに誘われもう一軒。ここも素晴らしい店だった。札幌のマジシャンや大道芸人の方が集まるスナックでママが隙あらばマジックを披露してくるのでゲラゲラ笑い続けた。他のお客さんも個性的な方々ばかりでマジシャンの方、医学生の方、とある女王、とある町の町長など多種多様な方と話すことができここでも至福のひとときだった。皆さん、ありがとうございました！ご馳走さまでした！

 この日は千鳥足で宿に帰り、幸せを噛み締めながら就寝。

 5月23日も札幌で過ごす。若干重い頭を揺らしながら再び街を練り歩く。相変わらず観光名所へは全く行かない。強いて言えば大通公園で本を読んだくらいだ。その他は少し高い買い物をしたり、ブックオフで本を調達したり、僕の全国展開オフィス兼勉強部屋兼Wi-Fiスポットのドトールで調べ物をしたり、ラーメン食べたりしていた。さすが札幌はラーメンのレベルが高く、適当にふらっと入った店でも大変美味しゅうございました。

 夜になれば再びアジア最北の大歓楽街、ススキノへ。と言ってもご飯を食べたり、酒を飲む金は持ってないのでブラブラ歩くだけだ。BGMはもちろん鈴木慶一とムーンライダースで「スカンピン」、それとカルメン・マキの「時計をとめて」、はちみつぱいの「大寒町」をループする。

 現実では<ケラーオオハタ>も<喫茶モンデ>も無い。僕もロング・ターンでサイド・ベンツのダブルのスーツなんて着ていない。缶ピースなんて吸えないしスーパーニッカのダブルを朝からなんて飲めない。それでも少しだけその世界に浸れる気がして楽しかった。ハードボイルドの世界を教えてくれた作品の中に自分が入り込んでいる気がしてとでも楽しかった。なんのことか分からない人はツタヤでもゲオでもアマゾンプライムでもネットフリックスでもいいから「探偵はbarにいる」を借りてみてください。ハマったらブックオフにでも行って東直己の棚の本を買ってください。

<モンデ>のロケ地、バールトップ

 そんな空想に浸りながらも宿へ戻る。途中のセコマで夕食を買って帰る。

 今日は午後から出発して厚田まで。ここからは2年前の思い出を巡る旅が宗谷岬まで続く。ワクワクして朝も起きれなかった。北39条のオフィスタリーズからの更新です。