極上アイスクリームとタコ部屋 43日目
6月1日、ついに6月に突入。まさかここまで北海道にハマるとは思わなかった。
初山別村のキャンプ場にて起床。時間はまさかの10時。起きた瞬間、10時!?と声を出して驚いてしまった。空には雲が広がっているものの気温は高かった。この時点で三つの選択肢で迷う。一つ目は急いで撤収して一気に稚内まで到達する。二つ目はとりあえず40キロ先の天塩まで北上し、翌日に稚内入りする。三つ目はこのままこのキャンプ場でもう一泊する。
一つ目はめんどくさいので早々に選択肢から外して、あとの二つの選択肢を頭の中で協議する。それぞれの選択肢のメリット、デメリットを挙げ、テントを乾かしながらしばらく考える。そして三年前の記憶からあることを思い出して唐突に脳内会議は終わる。
「たしかこの先の道の駅にうまいソフトクリームがあったはず!」
調べたところ初山別村から約20キロ先の道の駅のことであった。大体の道の駅は朝9時から営業を始める。このまま初山別にもう一泊すると9時前にはその道の駅を通過するため食べることができない。
この答えに辿り着いたあとの行動は早かった。先日の雨で濡れていたテントを回収し、荷物をバックに詰めて自転車に積み、走り出す。風は強い横風寄りの追い風。ガンガン漕いで1時間後には件の道の駅に到着。極上ソフトクリームを堪能する。値段は普通のソフトクリームと変わらないのだが味は別格。酒々井のクレミアなんて勝負にならない。
件の道の駅
その後20キロ程進み天塩の街に到着。道はひたすら真っ直ぐで気持ちいい。すでにオロロンラインのメイン、サロベツ原野の雰囲気を醸し出している。
その道中懐かしいものを発見する。天塩町のカントリーサインだ。僕は三年前に行った自身初の自転車旅の際にもここで写真を撮っている。
三年前
現在
これをSNSに載せたところ友人から老けたという声が多数上がった。皆さんはどう思うだろうか。しかしよく見ると跳躍力はアップしている。身体能力はもしかしたらあの時より上かもしれない。単純にタイミングの問題だろうというツッコミはご遠慮いただきたい。
天塩の街では一泊200円の格安ライダーハウスに泊まった。ライダーハウスといってもただのプレハブに畳が敷いてあるだけである。まるで肉体労働者のタコ部屋のようである。
それでも屋根と壁があって、コンセントもあるここは極楽浄土にも等しい、旅人のガンダーラといっても言い過ぎではないだろう。いや言い過ぎかもしれない。
濡れない屋根と平らな床に感謝しながら就寝。
走行距離 38.1キロ