4287のよろっと自転車日本一周旅

よろっと旅にでようや

折れるよスポークポキポキと。60日目

 6月18日、呼人浦キャンプ場にて起床。久しぶりに太陽を拝めた。何日も曇り空しか見ないと人は太陽が恋しくてたまらなくなる。太陽が顔を出しただけでテンションはフルスロットルだ。旅をしていると幸せのハードルも低くなる。晴れてるだけで幸せが一杯。でも夏になったら太陽に文句言うんだろうな。ばーかあっちぇこってやとか言ってさ。

 

 晴れたのでついに網走を脱する。何だかんだ長い滞在になってしまった。自転車も直したし意気揚々と漕ぎ出す。流れていく見慣れた網走の街並み。数日前の曇り空の中では陰気に見えたオホーツクの海もキラキラ輝いている。ご覧、世界は美しい。

 なんてブッダみたいなことを感じていたら後輪から金属が折れる音が響く。

「オイオイオイオイ、スパークは直したはずだぜ、まさか折れてるなんて事ないよなぁー?」

 

 恐る恐る自転車を降りて確認する。するとスパークが一本しっかり折れている。泣き出したい気分になった。はやくも太陽に愚痴りたい。

 

 早速きた道を引き返し、数日前にお世話になった自転車屋に再び修理を請う。おじさんも半分呆れ顔、いやいやそんな顔しないでよ、こっちが泣きそうだっつーの。

 修理を待つ間は近くの道の駅で待機。せっかくの天気なのに走らないことがもどかしい。道の駅にあったテレビから繰り返し流れる網走が舞台になった映画の宣伝のセリフを全て暗記した頃に修理完了の連絡が入る。引き取りに行き、しっかり代金を払う。

 

 時刻はすでに15時。走り始めるにはだいぶ遅い時間になってしまった。それでも止まっていると気が滅入るので50キロ先を目的地に走り始める。天気はいいがため息しか出てこない。

 

 途中で海がキレイに見える無人駅に寄る。駅舎も映画のセットのような佇まいで趣きがある。多少気持ちも持ち直した。

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 18時前には目的地である斜里町ライダーハウスクリオネに隣接しているキャンプ場に到着。現在ライダーハウスは改修工事中で営業していない。北海道三大沈没の一つが本当に沈没してしまった。ちなみに三代沈没宿のもう二つは美瑛の蜂の宿と帯広のヤドカリの家。蜂の宿も辞めてしまった。是非行ってみたいライダーハウスの一つだったので本当に残念である。復活した暁には必ず訪れたい。宿の温泉に入る際中を見たがガランとしており多くの旅人で賑わっていた残り香がかすかに香る気がした。なんとなく宿も寂しそうだった。

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f:id:yotsushu:20190622060436j:imageクリオネにはキツネが沢山いた。彼らも訪れる旅人が少なくなった事を寂しく思っているのか、相当近くまで寄ってきた。もちろん全力で追い払ってやった。

 

 夕飯に斜里町でラーメンを食べて就寝。

 

走行距離 約50キロ